歴史の授業。現代日本に暮らす自分にとって、思わず「ぷっ」と吹き出したくなる人名や出来事が出てきたりして。小野妹子なんとかアッチラ・ザ・フンとか。
なかでも、合衆国の5代目大統領が発表した「モンロー主義」には、思わずニンマリ、デュデュッビィドゥ。みたいな。ジェームズ・モンローというのがそいつなんだけど、とどのつまりは「ヨーロッパの国々よ、アメリカを放っといてくれ。さもないと、ブンなぐるぞっ」という宣言。当時のヨーロッパ諸国が植民地政策を強力に推進していた1823年の話。当然、のちの第35代大統領といい仲になるノーマ・ジーンは生まれていません。しかし、先入観とは偉大なもの、世界史の授業でこのキーワードが出てくると、わたくしとしては、パツキンに紅いルージュ、白いシルクのワンピースを着た伝説の彼女が頭をよぎるワケです。デュデュッビィドゥ。
イカれたドラ息子に成り下がったある日。あるテレビ雑誌に映画の特集ページがあって。その扉ページのタイトルがたった一言「オードリー主義」。「あ、うめえな」と、思わず立ち読み本屋でポンッとヒザを打ったのであります。「モンロー」は苗字、「オードリー」は名前ではありますが、「ヘップバーン主義」とすると、同じハリウッド大女優の「キャサリーン・ヘップバーン」と勘違いされる恐れがあり、苦肉の策とも言えるがお見事。現在でもモンローの対局として捉えられている彼女のイメージを鮮烈に伝え、しかもファンの心情を代弁しているところが痛快の名コピーだと思うが。いかがでしょ。
ジョージ・ガーシュイン。以前にもレビューした米国の偉大な作曲家(1898〜1937)。彼の名曲の数々は、たとえばジーン・ケリー主演の〈巴里のアメリカ人〉、比較的新しいところではウッディ・アレンの〈マンハッタン〉といった映画でも聴くことができる(彼の伝記映画〈アメリカ交響楽〉もある)。その彼が戦前の1927年に上演されたミュージカル劇の作曲を手がけた。そして、50年後の1957年にハリウッドで映画化。タイトルは〈パリの恋人:Funny Face〉。主演はフレッド・アステアにオードリー・ヘップバーン。そして、彼女がガーシュインの曲を歌う。その歌声は・・・。ヘタ。セリフをしゃべるそのままの声で歌っている。その後の彼女の主演作〈マイ・フェア・レディ〉ではすべての歌声を別人に吹き替えられ、〈ティファニーで朝食を〉では彼女が名曲「ムーンリバー」を歌うが、ヘンリー・マンシーニが彼女のせまい声域を逆手に取って作曲した有名な話も。
そのオードリーの歌声が満喫できる〈パリの恋人〉をMarty101で聴くか。聴こう。実はこのサントラ、映画フィルムの音声からそのままテープに記録したと思われるほど(おそらくは間違いなく)録音状態が悪い。だけれども。Martyはまるで−−ちょっとオーバーに言えば−−魔法をかけたかのように、古い音源に特徴的な雑音気になるどころか、艶やかでみずみずしくて。いままで聴くのがちょっと苦痛だったのだけれども、これでオーケーだ。共演のアステアやケイ・トンプソンらの歌も生き生きと再現される。オードリーの歌だってなんと愛嬌があることか。ヘタでもいいではないか、彼女が歌うなら。
ついでに。ガーシュインの作品を様々なアーティストがカバーしたアルバムも素敵だ。やはり古い音源も収録されているが、彼自身が演奏している貴重な楽曲はやはりMartyで聴くとブッとぶ。こちらもオススメ。
さらに、ついでに。明治学院大学の創立者の1人で「ヘボン式ローマ字」の発案者であるジェームス・カーティス・ヘボンの「ヘボン」のつづりは「ヘップバーン」と同じ。ヘボンのほうがネイティブの発音により近いのだとか。
2007年02月21日
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